2013年7月16日火曜日

マタギ・工藤光治さんのこと

今年の岩木遠足でトークをお願いする工藤光治さん。
工藤さんは、青森県中津軽郡西目屋村のマタギであり、縄文時代から連綿と続く採集・狩猟という営みと文化を継承なさる方です。



実際、工藤さんの出身の地=砂子瀬集落は、約4千年前の大規模な縄文遺跡の真上にあります。2000年に津軽ダム建設のために、その地から移転しなければいけなくなり、マタギの人達もバラバラになってしまいました。長い間続いて来たマタギ文化がなくなってしまうのではいかと思い、この文化を残していきたいとマタギの仲間三人で2000年5月に「白神マタギ舎」を設立しました。


そんな工藤さんに最近気になることをお尋ねしたところ
「白神山地の自然はあまり変わりませんが、人間は何処まで進歩していくのか気になります。」
との答えが。

白神山地のブナの林は8000年前には完成したと言われています。
人間が山に入り山と共に生きるようになっても、その生態は、ほとんど変わりないのです。
それはもちろん、山の恵は人間だけのものではなく、
今の世代のものだけでもないことを忘れず"欲張らずに"、
すべての生き物と共に生きる、どんな存在も他の命をもらって生かされている、
というマタギが受け継いできた思想が前提になって白神の自然を守ってきたのです。

『自らを自然の一部とは考えずに欲をかき、"預金残高"が大きいと、
人はそれを減らすまいとして争うのだろうか』とも仰っていました。


白神山地の恵みと共に生きてこられた工藤光治さん。その体験談や知識は本当に豊富で止まるところを知りませんので、今回も、興味深いお話が聞ける!と今からワクワクしています。

今後は「マタギ小屋」に宿泊できるようにがんばっていきたいスタッフ宮嵜でした。

(岩木遠足スタッフ=宮嵜)

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